マカを摂取すると薄毛になるって本当?含まれる成分と効果を紹介!

マカを摂取すると薄毛になるって本当?含まれる成分と効果を紹介!

マカは滋養強壮に「効果がある」とされていますよね。
一方で、男性ホルモンを増やすことで「薄毛になりやすくなる」という噂もあります。

結論を言えば、マカを摂取しても薄毛になりません。
また、本来の効果である滋養強壮についても、情報の信頼性は保証されていないのです。

本記事では専門家監修のもと、以下の点を詳しく解説します。

この記事でわかること
  • マカの特徴や含まれている成分
  • マカの育毛効果
  • マカを利用する際の注意点

すべてにおいて科学的根拠に基づいて記載しているため、どこよりも正確に「マカの効果」がわかります。

この記事の監修者

中川陽子
中川陽子薬剤師・医学修士
北海道大学大学院卒業
薬局薬剤師としてAGAや壮年期脱毛症、円形脱毛症の医薬品調剤や服薬相談を多数経験
薄毛の悩みを解決できる医学薬学知識を啓蒙することで、患者さんのより良い人生に貢献したい
と思っております。

そもそも「マカ」とは?

マカとは

マカは南米のペルーに自生するアブラナ科の植物で、インカ帝国の時代から貴重な食物資源として利用されてきました。
赤道の近くに位置するペルーの大地には強い刺激が差し込むだけでなく、酸性土壌であるため、植物が育つのに適した環境とは言えません。
また、マカが栽培されているアンデス高地は、1日の間の気温差が大きいといった特徴もあります。

このような過酷な環境で育ったからこそ、マカにはさまざまな栄養成分が含まれているのです。
ここではマカの成分と効果、サプリメントの形状について説明します。

マカの成分

マカにはさまざまな必須栄養素が含まれていることで知られています。
グロリア・チャコン氏の著書『MACA』では、次のような成分があるとされています。

成分 黄色マカ マカ・モラーダ(赤いマカ)
カリウム 842.3 1,010.4
カルシウム 357.3 356.2
リン 266.1 334.7
硫黄 233.0 0.0
マグネシウム 95.7 36.0
鉄分 13.8 95.0
ナトリウム 29.4 33.3
シリカ 9.5 4.8
亜鉛 2.9 2.8
マンガン 2.5 2.7
0.7 0.8

マカの効果

豊富な必須栄養素を含むマカには、次のような効果が期待されています。

  • 美肌効果
  • 生活習慣病の予防効果
  • 更年期障害の症状を緩和する効果
  • 性力減退や前立腺肥大症の予防効果

マカに含まれるアミノ酸の一種であるアルギニンには、成長ホルモンの分泌を促進し、新陳代謝を活発化させる働きが期待されています。
成長ホルモンの働きによってお肌の新陳代謝(ターンオーバー)が活発化すると、美肌効果等が期待できるでしょう。

強烈な紫外線の下で成長するマカは、抗酸化作用を持つと言われています。
抗酸化力は動脈硬化を防ぎ、生活習慣病を予防できる効果が示唆されています。

一方で、上記の効果はすべて「信頼できる十分な情報がない※」とされている点に注意してください。

※参考:国立健康・栄養研究所

マカサプリメントの形状

マカ自体はペルー国外への持ち出しが禁止されているため、国内ではサプリメントという形で利用されるのが一般的です。

マカのサプリメントには錠剤、カプセル、粉末などさまざまなタイプがあります。

マカを摂取すると薄毛になるって本当?

マカ
「マカを摂取すると薄毛になる」などと感じている方は少なくありません。

そこで、ここでは以下の2点について解説します。

  • マカを摂取しても薄毛にはならない
  • なぜマカで薄毛になる噂が広がったのか

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

マカを摂取しても薄毛にはならない

マカを摂取しても薄毛にはなりません。
摂取しても男性ホルモンが増えるわけではないからです。

薄毛になる原因は、後述しますが「AGA」です。

なぜマカで薄毛になる噂が広がったのか

マカを摂取すると薄毛になるという誤った噂が広まったのは、含まれている成分によって性欲の減退を解消する効果が期待できるからです。

性欲の減退を解消できる理由として、男性ホルモンの一種であるテストステロンが増えるからではないかいう説があります。

ただ、テストステロンが増えたからと言って、薄毛に繋がることはありません。
薄毛の原因となるのは、DHT(ジヒドロテストステロン)でありテストステロンではないのです。

また、マカを摂取するとテストステロンの分泌量が増えるといった医学的根拠はありません。
テストステロンが増えたとしても薄毛にはつながりません。
詳しくは下の記事をご覧ください。

薄毛の9割は「AGA」が原因

薄毛治療
男性の薄毛はおよそ9割がAGAによって起こると考えられています。
マカに限ったことではありませんが、特定の食品や栄養素を摂取したからといって、AGAを引き起こすことにはなりません。

  • AGAとは
  • AGAで薄毛になるメカニズム

ここでは上記の2点について詳しく解説しています。

AGAとは?

AGAは男性に見られる代表的な薄毛で、英語の「Androgenetic Alopecia」の頭文字を取ったものです。
日本では男性型脱毛症と呼ばれています。

男性型および女性型脱毛症診療ガイドラインによると、AGAは徐々に進行する脱毛症と説明されています。
AGAの具体的な症状などは、下の記事をご覧ください。

AGAで薄毛になるメカニズム

AGAで薄毛になるメカニズムを理解するためには、ヘアサイクルについて知っておく必要があります。
ヘアサイクルは髪の毛が生えてから抜け落ち、再び生えるといった周期のことです。

ヘアサイクルの大部分を髪の毛の成長期が占めています。
その後、退行期を経て、休止期を迎え、髪の毛は生え替わるのです。

AGAを発症した場合、髪の毛の成長期が短縮され、退行期および休止期が早く訪れます。
生涯に繰り返されるヘアサイクルには上限があるため、ヘアサイクルの周期が短くなると、徐々に薄毛の可能性が高くなるのです。

AGAのヘアサイクル

ヘアサイクルの周期を短縮するのが、TGF-βと呼ばれるサイトカインの一種です。TGF-βの産生には、男性ホルモンの一種であるDHTが深く関わっています。

DHTは、5α-リダクターゼと呼ばれる酵素の働きによってテストステロンが変化したものです。
ジヒドロテストステロンが男性ホルモン受容器と結合すると、TGF-βが生成されるのです。
遺伝的に5α-リダクターゼの働きが活発で、かつ男性ホルモン受容器の感受性が高い方の場合、AGAを発症する可能性も高いと考えられています。

詳しくは下の記事をご覧ください

マカに含まれる成分は育毛に効果的!

マカ
マカを摂取すると薄毛になるという話は根本的に間違っています。
それどころか、マカには育毛に効果的な以下のような成分が含まれています。

  • ベンジルグルコシノレート
  • 亜鉛
  • ビタミンE
  • ビタミンB6・B12
  • タンパク質
  • アルギニン
  • アントシアニン
  • サポニン
  • 鉄分

それぞれの成分について詳しく見ていきましょう。
あわせて下の記事も参考にしてください。

ベンジルグルコシノレート

ベンジルグルコシノレートはアブラナ科の植物に含まれている含硫化合物の一種です。
ベンジルグルコシノレートには成長ホルモンの分泌を促したり、ホルモンバランスを調整したりする働きがある、と言われています。

成長ホルモンは主に就寝中に分泌され、細胞分裂を活発化します。
髪の毛も毛母細胞の分裂によって成長するため、成長ホルモンの分泌量が増大すれば、育毛効果が期待できるでしょう。

ただし、臨床的な実験がほとんど行われていないため、実際に「効果があるかどうか」については不明です。
健康において良い効果は期待できるでしょうが、頼りすぎないことが大事です。

亜鉛

マカには必須ミネラルの一種である亜鉛も豊富に含まれています。
髪の毛はタンパク質から作られているのですが、体内に取り入れられたタンパク質がそのまま髪の毛に変わるわけではありません。

体内に摂取されたタンパク質は、いったんアミノ酸のレベルにまで分解され、身体の各部に送られて有効利用されます。
髪の毛はアミノ酸がタンパク質に再合成されることで作られますが、その際に重要な働きをするのが亜鉛なのです。
亜鉛が不足すると抜け毛のリスクを高めるのもそのためです。

亜鉛の育毛効果は下の記事をご覧ください。

ビタミンE

マカにはビタミンEも豊富に含まれています。
マカに限った話ではありませんが、植物は有害な紫外線から身を守るため、ビタミンEやポリフェノールを生成します。

マカが育つアンデス山脈は、とくに強烈な紫外線が射す場所であるため、マカには豊富なビタミンEが含まれているのです。
ビタミンEには抗酸化作用があるのですが、その働きはマカを摂取した人間の体内でも機能します。

ビタミンEには抗酸化作用だけでなく、血管を拡張し、血液の循環を促進する作用もあります。
それによって、髪の毛が成長するためのエネルギーも送り届けられやすくなります。

ビタミンB6・B12

ビタミンB6・B12には脂質の代謝を促し、皮脂のバランスを調節する働きが期待されています。

頭皮は身体の中でもっとも皮脂の分泌量が多い場所です。
皮膚には常在菌の一種であるマラセチアが棲みついており、皮脂をエサとして増殖します。
頭皮の皮脂が増えすぎると、マラセチアが大量に繁殖し、脂漏性皮膚炎の発症リスクを高めます。

脂漏性皮膚炎がそのまま薄毛に繋がる訳ではありません。
しかし、頭皮がべたついた状態を長く続けると、皮脂とフケ、ホコリなどが混じり合って毛穴に詰まり、抜け毛のリスクを高めます。
マカによって過剰な皮脂の分泌を抑制できれば、脂漏性皮膚炎をはじめとした頭皮環境の悪化を未然に防ぐ効果が期待できるのです。

タンパク質

マカに含まれているタンパク質も、育毛に効果的な成分とされています。
先ほども少し触れましたが、髪の毛はタンパク質の一種であるケラチンから作られています。

ケラチンは体内のアミノ酸がタンパク質に再合成されることで作られますが、そのための原料が日々摂取するタンパク質なのです。

アルギニン

マカに含まれている育毛に効果的な成分として、アミノ酸の一種であるアルギニンがあげられます。
アルギニンは体内で合成できない必須アミノ酸なので、食事やサプリメントの形で摂取する必要があるのです。

アルギニンには成長ホルモンの分泌を正常に保つ働きがあります。
成長ホルモンが育毛に効果的な点については、ベンジルグルコシノレートの項で述べた通りです。
また、アルギニンにもビタミンEと同様に、血管を拡張し、血液の循環をスムーズにする働きがあります。

アントシアニン

マカに含まれる成分の1つであるアントシアニンは、有害な紫外線から植物を守るポリフェノールの一種です。

アントシアニンを摂取すると、頭皮を紫外線から守る働きが期待できます。

サポニン

サポニンは大豆に含まれることでもよく知られている成分で、血栓ができるのを防いだり、コレステロールを取り除いたりする働きが期待されています。

簡単に説明すると、サポニンには血液をサラサラにする働きがあるといえます。
それによって頭皮へと送られる血液の流れがスムーズになり、髪の毛の成長をサポートする訳です。

鉄分

鉄分は亜鉛と同じく必須ミネラルの一種で、赤血球を構成するヘモグロビンの主要な成分の1つです。
鉄分には全身の細胞に酸素を送り届ける働きがあります。

鉄分は皮膚の生成や代謝に関わっているため、鉄分が不足すると頭皮環境の悪化を招き、髪の毛の健康な成長が妨げられます。

マカには副作用はない?服用に向かない人は?

マカ
マカは健康食品の一種であり、健康な人に対する毒性はなく、長期間摂り続けた際の健康被害の報告もありません。

ただし、サプリメントや粉末でマカを摂取する場合は、用法用量は守ることが重要です(適性摂取量は1日1.5〜5.0g)。
また、次のような方はマカの摂取を控えたほうがよいでしょう。

  • 肝臓・腎臓・甲状腺に疾患を持っている人
  • アブラナ科のアレルギーを持っている人
  • 妊娠中・授乳中の女性

それぞれについて見ていきましょう。

肝臓・腎臓・甲状腺に疾患を持っている人

肝機能障害や腎疾患、甲状腺疾患などを持っている方の場合、マカの服用前に医師への相談を欠かさないようにしましょう。

とくに1日あたり40g以上摂取した場合、思わぬ健康被害を招く可能性があるため注意が必要です。

アブラナ科のアレルギーを持っている人

マカは天然由来の成分から作られたサプリメントなので、医薬品などと比べた場合、副作用のリスクが低いといったメリットがあります。

ただ、アブラナ科の植物であるため、アブラナ科のアレルギーを持っている方は注意が必要です。
キャベツやブロッコリーのアレルギーがある方は、マカの摂取を避けるようにしましょう。

妊娠中・授乳中の女性

妊娠中や授乳中の女性も、マカの摂取を控えるようにしましょう。

胎児や乳児にマカが与える影響は確認されていないため、服用を控えたほうが無難です。

育毛に効果的なマカを飲むタイミング

マカ
マカは風邪薬などとは異なり、とくに決まったタイミングで摂取しなければならないといった決まりがありません。
しかし、服用するタイミングを工夫することで、マカの成分の吸収効率を高められるでしょう。

マカのサプリメントを摂取する場合、夕食の前や寝る前など、空腹の時間帯がおすすめとされています。
食後は胃が活発に動いているため、せっかくマカを摂取しても、効率よく栄養素を吸収することができません。
マカを摂取するのは「お腹が空いているとき」と覚えておきましょう。

ただし、上述したとおり国立健康・栄養研究所がマカの効果については「信頼できる情報がない」と述べています。
薄毛の治療や育毛目的ではなく、栄養を補助する役割で服用するのが大事です。

マカに発毛効果はないためAGAの疑いがあるなら受診を!

薄毛対策
マカには滋養強壮をはじめとしたたくさんの健康効果が期待されています。
また、マカに含まれる成分の中には、髪の毛の成長をサポートする働きを持つものも少なくありません。

ただし、マカには発毛効果がありません。
したがってAGAを治療できるものではないのです。

AGAは進行性なので、効果が検証されている治療方法を選択しないとどんどん進行してしまいます。
反対に、AGAクリニックで適切な治療を受ければ、AGAの進行を遅らせることができますし、年齢相応の髪の毛を取り戻せるでしょう。

AGAの治療については下の記事をご覧ください。

まとめ

マカと薄毛についてまとめます。

  • マカを摂取したからと言って薄毛になることはない
  • マカには育毛に有効な成分がたくさん含まれている
  • マカには発毛効果は期待できない
  •                 

  • AGAの疑いがある場合はクリニックの受診がおすすめ

マカには発毛効果がなく、情報の信頼性も保証されていません。
とくにAGAの疑いがある場合、なるべく早めにAGA治療専門のクリニックを受診することが重要です。