
【薬剤師監修】AGAの治療費は医療控除の対象になる?治療内容で変わる?
AGA治療は高額になりがちなことから「医療費控除の対象になればいいな」と感じる方も少なくありません。
ただ、AGA治療は保険適用されないため、医療費控除の対象になるかどうかは判断が難しいところでしょう。
本記事では薬剤師監修監修のもと、以下の点を解説します。
- 医療費控除について
- AGA治療費が医療費控除の対象になりにくい
- AGA治療費が医療費控除の対象になる場合もある
AGA治療費の目安も解説しているため、ぜひ最後までご覧ください。
この記事の監修者

- 薬剤師・医学修士
-
北海道大学大学院卒業
薬局薬剤師としてAGAや壮年期脱毛症、円形脱毛症の医薬品調剤や服薬相談を多数経験
薄毛の悩みを解決できる医学薬学知識を啓蒙することで、患者さんのより良い人生に貢献したい
と思っております。
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医療費控除とは
まず、そもそも医療費控除とはどんなものかについて説明します。
医療費控除とは「自分と同一生計の配偶者・その他の親族が1年間に支払った医療費の合計が一定額を超えた場合、対象金額が所得から控除される制度」です。
AGA治療費の医療費控除について考える際に知っておくべきことは次の2点です。
- 医療費控除の対象となる治療
- 医療費控除の計算方法
以下で分かりやすく説明します。
医療費控除の対象となる治療
医療費控除を受けられる治療とは以下のとおりです。
- 診察料や治療費
- 入院費
- 医薬品費
- 通院の交通費
- 医師などの送迎費
- 歯科治療費
- 治療の一環としてのリハビリ
- 介護費
- 一般医薬品(スイッチOTC医薬品)
- 食事代など費用または医療用器具等の購入
薬局で買える一般医薬品もセルフメディケーション税制(医療費控除の特例)として所得控除を受けることが可能※です。
通常の医療費控除として所得控除を受けることはできないので注意してください。
※12,000円超・最高88,000円
医療費控除の計算方法
医療費控除はその年の1月1日~12月31日までに支払った医療費(最高で200万円)が対象です。
計算式は以下のとおりです。
(実際に支払った医療費の合計額-(1)の金額)-(2)の金額
(1)保険金などで補てんされる金額
(例) 生命保険契約などで支給される入院費給付金や健康保険などで支給される高額療養費・家族療養費・出産育児一時金など
(注)保険金などで補てんされる金額は、その給付の目的となった医療費の金額を限度として差し引きますので、引ききれない金額が生じた場合であっても他の医療費からは差し引きません。
(2)10万円
(注)その年の総所得金額等が200万円未満の人は、総所得金額等の5パーセントの金額
出典:国税庁
たとえば、「実際に支払った医療費の合計額」が100万だったとしましょう。
「(1)保険金などで補てんされる金額」が30万だった場合、医療費控除額は以下のとおりです。
(100万-30万)-10万=60万円
AGA治療は医療費控除の対象になりにくい
AGA治療が医療費控除の対象になるのは「難しい」といえるでしょう。
その理由は、AGA治療は美容目的であると判断されてしまう可能性があるからです。
AGA治療は美容目的であると判断されてしまうため
国税庁では次のように記載されています。
いわゆる人間ドックその他の健康診断のための費用及び容姿を美化し、又は容ぼうを変えるなどのための費用は、医療費に該当しないことに留意する。
出典:国税庁
AGAはこの「容ぼうを変えるなどのための費用」として判断されてしまうことが多いのです。
実際に、AGA治療は基本的に保険適用されません。
全額自己負担なのです。
したがって、2022年7月29日時点の情報ではありますが、「AGA治療は医療費控除の対象になりにくい」と考えるべきでしょう。
一方で、円形脱毛症の場合、医療費に該当するケースもあります。
円形脱毛症はAGAと違って自己免疫疾患が原因とされているからです。
AGAと円形脱毛症は似ているようで大きく異なります。
したがって、症状も治療方法も違うのです。
詳しくは下の記事をご覧ください。
AGA以外の薄毛の場合は医療費控除の対象になる場合も
薄毛にはAGA以外にさまざまな種類があります。
たとえば、以下のとおりです。
- 円形脱毛症
- 脂漏性脱毛症
- FAGA(女性のみ)
- FPHL(女性のみ)
上述したとおり、円形脱毛症は医療費控除の対象になる可能性があります。
まずは自分の症状が「AGAなのか違う脱毛症なのか」を判断するのがおすすめです。
たとえば、AGAと円形脱毛症には次のような違いがあります。
AGA | 円形脱毛症 | |
原因 | DHT(ジヒドロテストステロン) | 不明
※自己免疫疾患が有力視されている |
症状 |
|
|
治療 |
|
|
「AGAかどうか」を見分ける方法は下の記事で詳しく解説しています。
医療費控除の対象になるか気になる場合は税務署へ相談
AGA治療費が医療費控除の対象になるのか気になる場合は、確定申告する前に税務署へ相談してみることをおすすめします。
対象にならないのに「医療費控除」として確定申告してしまうと、修正を命じられる可能性もあります。
場合によっては「脱税」とみなされる恐れがあるので注意してください。
最悪の場合、所得税法238条により「5年以下の懲役又は500万円以下の罰金」※に処される恐れがあります。
※参考:所得税法「第二百三十八条」
AGA治療費の目安
AGA治療費は基本的に医療費控除の対象になりません。
そこで大事なのが「AGA治療費の目安を知っておくこと」です。
まず、AGAの治療方法として「AGAガイドライン」でもっとも推奨されているのは以下の3つです。
- フィナステリドの内服
- デュタステリドの内服
- ミノキシジルの外用
それぞれの効果を紹介します。
フィナステリドの内服 | 5αリダクターゼの働きを阻害し、DHTの産生を防ぐ |
デュタステリドの内服 | 5αリダクターゼの働きを阻害し、DHTの産生を防ぐ |
ミノキシジルの外用 | 発毛を促進させ、ヘアサイクルを整える |
上記3つの治療からはじめるのがもっともポピュラーです。
特に、内服薬と外用薬を組み合わせると高い効果を期待できます。
上記の治療を半年ほど続けても効果が出なかった場合、注入治療や自毛植毛に踏み切る方がいます。
詳しい治療費の目安は下をご覧ください。
AGA治療方法 | 1か月あたりの治療費の目安 |
フィナステリドの内服 | 5,000円~8,000円 |
デュタステリドの内服 | 6,000円~10,000円 |
ミノキシジルの外用 | 4,500円~7,000円 |
注入治療 | 1回あたり20,000円~100,000万円 |
自毛植毛 | 1,000グラフトあたり40万円~120万円 |
すべての治療費が健康保険適用の対象外となるため、年間の治療費はかなりの負担となるでしょう。
AGAの治療費に関しては下の記事をご覧ください。
まとめ
AGA治療費と医療費控除についてまとめます。
- 医療費控除とは、同一生計にある家族の1年間の医療費の合計額を所得から控除できる制度のこと
- AGA治療は基本的に医療費控除の対象にならない
- ただ、円形脱毛症の治療は対象になることが多い
- まずは自分の薄毛がAGAなのか違う脱毛症なのかを判断するのが大事
- AGAの治療はすべて保険外となり自己負担
AGA治療を検討する場合、通販で手に入る「ミノキシジルの発毛剤」からはじめるのがおすすめです
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