【薬剤師監修】ナッツが髪の毛にいいって本当?薄毛やAGAにも効果はあるの?

【薬剤師監修】ナッツが髪の毛にいいって本当?薄毛やAGAにも効果はあるの?

栄養豊富な食材として知られるナッツは「髪の毛にいい」とも言われています。
ただ、「何がどのようにして”髪の毛にいい”のかわからない」という男性も多いでしょう。

そこで本記事では薬剤師監修のもと、以下の点を解説します。

この記事でわかること
  • ナッツの栄養素
  • 効果的なナッツの量と食べ方
  • ナッツ以外に髪の毛にいい食べ物

記事を最後まで読むことでナッツ以外に「薄毛改善のために何が大事か」がわかり、自分が取るべき行動を理解できます。

この記事の監修者

中川陽子
中川陽子薬剤師・医学修士
北海道大学大学院卒業
薬局薬剤師としてAGAや壮年期脱毛症、円形脱毛症の医薬品調剤や服薬相談を多数経験
薄毛の悩みを解決できる医学薬学知識を啓蒙することで、患者さんのより良い人生に貢献したい
と思っております。

ナッツは本当に髪の毛にいいの?

まず、「ナッツ」をしっかり定義しましょう。
よく勘違いする人が多いのですが、「ナッツ」とは、厳密に言うと「ピーナッツ」のことではありません。

ピーナッツを含む「木の実や種、豆の仲間などの総称」なのです。

通常「ナッツ」とよばれる木の実は堅果種子類で肥大した種子の胚や仁(胚乳)を食用とします。一般的には、アーモンド、クルミ、カシューナッツ、ピスタチオナッツ、マカデミアナッツなどが副食品として利用されています。

出典:日本ナッツ協会

このようにピーナッツだけじゃなく、さまざまな木の実を総称して「ナッツ」と呼んでいるわけですね。

ナッツに含まれる成分と髪の毛への影響

ナッツには髪の成長に必要な栄養素が豊富に含まれています。
特に豊富なのが以下の栄養素です。

タンパク質 髪の主成分となる「ケラチン」を作り出す
ビタミン 頭皮環境に良い影響を与える
亜鉛 ケラチンを作り出すサポートをする

 

これらは「髪の三大栄養素」とも呼ばれています。
さらに、ナッツは血行を促進する働きもあり、頭皮環境を整えて髪に栄養を行き届きやすくする効果も期待できます。

ただし、ナッツを食べるだけで発毛効果を得られたり、抜け毛を予防できたりするわけではありません。
あくまでもナッツに含まれる成分が「髪の毛の健康に間接的に良い影響を与える」という程度に考えておくとよいでしょう。
髪に大事な栄養素に関しては、下の記事をご覧ください。

ナッツの食べ過ぎは逆に薄毛につながる?

「ナッツは髪の毛に良い」と言われる一方で、食べ過ぎは抜け毛の増加につながる可能性があります。
ナッツには脂肪分が多く含まれており、大量に摂取をすると皮脂の過剰分泌が引き起こされて、頭皮環境を悪化させる恐れがあるからです。

ナッツの量

ナッツには亜鉛が多く含まれています。
たとえば食品成分データベースによると、乾燥したアーモンドには、100g中3.6mgの亜鉛が含まれているのです。

成人男性における1日あたりの亜鉛の摂取目安量は10mgです。
したがって、アーモンドを約300g食べると「摂取目安量を超えてしまう」といえます。

そこまで大量に食べるケースは極めてまれですし、摂取目安量を超えてしまったとしても1回だけならほとんど健康に悪影響は現れません。
ただし、上述したとおり、食べ過ぎは頭皮環境を悪化させる恐れがあるので気をつけてください。

ナッツの食べ方

小腹が空いたときなどに少しずつつまむようにすると、無理なく続けることができます。
お酒のお供に食べる人もいますが、おすすめできません。
おつまみ用に調味されたナッツは塩分が高いため、髪の毛にいいとは言えないからです。

また、せっかく摂取した亜鉛が、お酒に含まれているアルコールを分解するために使われてしまいます。
つまり、髪の生成に使われる亜鉛が少なくなってしまうわけです。
ナッツを食べる際は、できる限りお酒を控えましょう。

ナッツ以外に髪の毛にいい食べ物とは

ナッツ以外にも、髪の毛にいいとされる食べ物は多数存在します。
特に、乳製品や亜鉛を多く含む食べ物は髪の毛の健康をサポートしてくれるため、意識的に摂取をすると良いでしょう。

髪の毛にいいとされる主な食べ物は以下のとおりです。

体内では合成できない9種類の必須アミノ酸を含んでいるため、髪の毛の成長促進や頭皮環境の改善が期待できる
鶏むね肉 高タンパクかつ低カロリーで、タンパク質やビタミンB群、ミネラル、ナイアシン、パントテン酸、イミダゾールジペプチドを同時に摂取できる
レバー 亜鉛をはじめタンパク質やビタミンB群、鉄分、ビタミンAを含んでいる
手羽先 コラーゲンやビタミンA、タンパク質が含まれている
ビタミンB群やビタミンA、DHA、EPAなどの栄養素が含まれているうえに、「アスタキサンチン」という強力な抗酸化作用によって知覚神経が刺激され、髪の成長促進が期待できる
牡蠣 タミンB群や亜鉛、鉄、アミノ酸、タウリン、グリコーゲンなど豊富な栄養素が含まれている
乳製品 製品によって異なるが、主にタンパク質や脂質、亜鉛、ビタミン、ミネラルなどが含まれている
緑黄色野菜 β-カロテンをはじめビタミンCやビタミンK、葉酸、カリウム、食物繊維などが含まれており、頭皮や髪の毛を健康にする栄養素が豊富
にんにく ビタミンB6やアリシン、カロテン、リン、葉酸、S-アリルシステイン、ポリフェノール、アミノ酸などの栄養素が含まれている
ゴマ ゴマリグナンやセサミン、ミネラル、カルシウム、ビタミン類、亜鉛、不飽和脂肪酸などの栄養素が含まれている

ナッツは薄毛やAGAには直接的な効果はない

ナッツは髪の毛にいいと言われていますが、前述の通り、薄毛やAGAを改善する効果はありません。

栄養の偏りが薄毛を引き起こしている場合は、ナッツを食べることで体内の栄養バランスが改善され、症状が緩和される可能性があります。
しかし、AGAなど別の原因によって薄毛や抜け毛が進行している場合は、ナッツの摂取だけで「劇的に治る」ということはないのです。

薄毛やAGAの原因

薄毛の原因としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 脱毛症
  • 頭皮環境の悪化
  • 生活習慣の乱れ

このうち「頭皮環境の悪化」や「生活習慣の乱れ」は、ナッツを食べることで改善するケースもあります。
一方、脱毛症は、ナッツの摂取だけでは改善できません。

特に、脱毛症の一つであるAGA(男性型脱毛症)は、男性ホルモンが原因です。
5αリダクターゼという還元酵素が男性ホルモンの「テストステロン」をDHT(ジヒドロテストステロン)に変えることで発症します。

ナッツをいくら食べても、5αリダクターゼの働きを抑えることはできません。
ナッツに含まれている「亜鉛」には、DHTの産出を抑える効果も研究されていますが、臨床的には明らかになっていないのです。
したがって、薄毛を改善したいなら、ナッツに頼りすぎるのは良くありません。

薄毛やAGAを改善するには専門クリニックで治療を受けよう

AGAを根本的に治療するためには、専門クリニックの受診が必要です。
専門クリニックでは、医学的なエビデンスに基づいた治療を受けることができます。
たとえば、5αリダクターゼの働きを阻害できる「フィナステリド」「デュタステリド」は医師の処方がなければ手に入りません。

一方で、「クリニックに行くのは恥ずかしい」「時間がない」という方もいるでしょう。
このような方はミノキシジルの発毛剤を使うのがおすすめです。
ミノキシジルの発毛剤は「フィナステリド」「デュタステリド」と同レベルで推奨されており、国内でも発毛効果が認められています。

また、「フィナステリド」「デュタステリド」とは違い、通販でも購入できるのです。
「発毛剤って高そう」このように感じる方もいるでしょうが、現在はジェネリック剤が作られており、昔よりはるかに安くなりました。
たとえば、国内最大のミノキシジル濃度で、1本あたり3,000円の発毛剤があるほどです。

まとめ

髪の毛にいいとされるナッツについてまとめます。

  • たしかにナッツには「髪の毛にいい」とされるタンパク質、ビタミン、亜鉛が豊富
  • 一方で、食べ過ぎは体に良くない
  • また、「髪の毛にいい」というだけでAGAなどの薄毛を治療できる効果はない
  • 薄毛を治療したいならAGAクリニックを受診するべき
  • ミノキシジルはAGAクリニックに行かなくても、1本あたり3,000円程度ではじめられる

ナッツは髪の毛や健康に良い食べ物ですが、ナッツを食べるだけで薄毛を改善することはできません。
適度に摂取をしつつ、AGAなど別の原因が考えられる場合は、早期の段階で専門クリニックを受診しましょう。

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