【薬剤師監修】頭皮湿疹の原因は何?どうしたら解決できるの?

【薬剤師監修】頭皮湿疹の原因は何?どうしたら解決できるの?

「頭皮がかゆい、赤くなっている」
「フケが大量に出たり乾燥したりして、何かしら頭皮にトラブルが起きている気がする」

このような方は頭皮湿疹の発症が疑われます。
頭皮湿疹はしっかりと対策しなければ、場合によってはどんどん悪化してしまうので気をつけてください。

そこで本記事では、頭皮湿疹の概要と症状、頭皮湿疹になる原因や防ぐ方法を紹介します。

この記事でわかること
  • 頭皮湿疹の概要と症状
  • 頭皮湿疹になってしまう原因
  • 頭皮湿疹を防ぐ方法

最後まで読むと頭皮湿疹に関する知識が身につき、具体的な対策がわかります。

この記事の監修者

中川陽子
中川陽子薬剤師
薬剤師歴15年
薬局薬剤師としてAGAや壮年期脱毛症、円形脱毛症の医薬品調剤や服薬相談を多数経験
患者さんの悩みに真摯に向き合うことをモットーとしている

頭皮湿疹とは

頭皮湿疹とは、その名のとおり「頭皮に湿疹ができている状態」を意味します。
具体的には、頭皮に赤みやかゆみが現れ、放置しておくとどんどん悪化してしまいます。
乳児や幼児によく現れますが、大人も発症する可能性があるので注意してください。

頭皮湿疹は軽度のものだと市販の薬である程度改善できます。
しかし、悪化すると医療機関を受診しなければなりません。
出費がかさんだり抜け毛が増加したりする恐れがあるので、早めに対処しましょう。

実際の頭皮湿疹の症状

頭皮湿疹の症状は大きく分けて4つです。

  • 赤み
  • かゆみ
  • 頭皮の乾燥
  • 頭皮がベタベタ

まず、頭皮湿疹になるとこのような形で頭皮に赤みが発生します。
頭皮の赤み
健康な頭皮は「青白い色」をしています。
赤かったり茶色くなったりしている場合、頭皮湿疹を発症している可能性があるので気をつけてください。

かゆみや乾燥、ベタつきを覚えるのも頭皮湿疹の特徴です。
以下で解説する「原因」を把握し、具体的な対処法を実行に移してください。

頭皮の色に関しては、下の記事で詳しく解説しています。

頭皮湿疹になってしまう原因

頭皮湿疹の主な原因は以下の5つです。

  • 接触性皮膚炎
  • 乾燥湿疹
  • 脂漏性皮膚炎
  • 膿痂湿疹(のうかしっしん)
  • アトピー性皮膚炎

ここでは、それぞれの原因について詳しく解説します。

接触性皮膚炎

接触性皮膚炎とは、シャンプーやトリートメント、整髪料などを使用した際、頭皮に合わずに炎症が起きてしまうことです。
「接触皮膚炎ガイドライン」では次のように定義しています。

接触皮膚炎とは外外来性の刺激物質や抗原(ハプテン)が皮膚に接触することによって発症する湿疹性の炎症反応をさす.

出典:接触皮膚炎診療ガイドライン 2020

接触性皮膚炎は4種類あります。

  • 刺激性接触皮膚炎
  • アレルギー性接触皮膚炎
  • 光接触皮膚炎
  • 全身性接触皮膚炎・接触皮膚炎症候群

それぞれに原因が異なります。
もっとも推奨されている治療方法は、「接触皮膚炎ガイドライン」によると「ステロイド内服薬・外用薬」です。

乾燥湿疹

乾燥湿疹は「皮脂欠乏性湿疹」とも呼ばれる症状です。
「皮脂欠乏症診療の手引き2021」では次のように定義しています。

皮脂欠乏症は乾皮症と同義の疾患であり,水分保持機能や表皮被覆機能の破綻により,皮膚乾燥を呈する疾患の総称である.

出典:皮脂欠乏症診療の手引き 2021

主な症状は以下のとおりです。

  • 皮膚の乾燥
  • 細かい鱗屑
  • わずかな落屑
  • 皮表の粗糙化
  • 鱗屑の大型化
  • 落屑の増加
  • さざ波状,菱形模様の亀裂

「落屑」とは以下の症状を意味します。

乾燥した皮膚の表層が大小の角質片となってボロボロとはがれ落ちること

出典:訪問介護NAVI

「皮脂欠乏症診療の手引き2021」では保湿剤による治療が推奨されています。

脂漏性皮膚炎

脂漏性皮膚炎は頭皮などで起こる皮膚の炎症です。
詳しい原因はわかっていませんが、「マラセチア」という常在菌である可能性が高いとされています。

原因は不明であるが,皮膚の常在菌であるMalassezia属真菌が何らかの役割を果たしている。

出典:MSDマニュアル

主な症状は以下のとおりです。

  • そう痒
  • フケ
  • 髪際部および顔面の黄色調かつ脂ぎった鱗屑など

悪化すると、一時的な抜け毛の増加にもつながります。
治療方法はいろいろありますが、軽度の場合、まずは「自分に合ったシャンプーを使う」というところからはじめるのがおすすめです。
脂漏性皮膚炎でも使えるおすすめシャンプーは以下の記事で解説しています。

膿痂湿疹(のうかしっしん)

膿痂湿疹は、頭皮にできた傷から細菌が侵入し増殖して炎症を引き起こします。
頭皮を傷つける主な原因は以下のとおりです。

  • 強い力で洗髪
  • 爪をたてて洗髪
  • 強い力でかきむしる

頭皮は傷つきやすいので、優しく洗髪する必要があります。

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎の症状が、頭皮にかゆみや赤みなどを発生させることもあります。

アトピー性皮膚炎は、皮膚の免疫機能が弱い傾向にある人が発生しやすい疾患です。
強いかゆみを引き起こすのが特徴で、強いかゆみに耐えられず皮膚を強くかいてしまい傷口から細菌が侵入します。

発症するのは、ほとんどが12歳未満の「児童」です。
ただ、大人になっても症状に悩まされる方は少なくありません。
アトピー性皮膚炎の年齢別有症率出典:アトピー性皮膚炎診療ガイドライン 2021

アトピー性皮膚炎にはさまざまな種類があり、病態によって治療方法が異なります。
「アトピー性皮膚炎かもしれない」と感じたら、まずは医療機関を受診しましょう。

頭皮湿疹を防ぐ方法

頭皮湿疹を防ぐためには、いくつか方法があります。
主な方法は以下の5つです。

  • 自分にあった適切なシャンプーを選ぶ
  • 紫外線を避ける
  • 生活習慣の改善
  • ストレスの発散
  • 医療機関の受信

それぞれ詳しく解説します。

自分に合った適切なシャンプーを選ぶ

頭皮に合うシャンプーは人それぞれ異なり、体質や頭皮の状態に合わせて選ぶのがおすすめです。

たとえば、頭皮の皮脂が過剰分泌している場合、皮脂の分泌を抑え皮脂量を調整できるようなシャンプーを選ぶ必要があります。
他には、下記のような症状と対策が効果的です。

  • アレルギーやアトピーで頭皮が弱い→刺激が少ない頭皮に優しいシャンプーに変更
  • 乾燥肌で頭皮がカサカサ→洗浄力が低く皮脂を除去しすぎない、保湿成分が配合されているシャンプーに変更
  • 頭皮に傷がある→刺激が少ないシャンプーに変えて、洗髪方法や力加減を改善

多くのシャンプーは洗浄力も強く、取らなくていい余計な皮脂まで除去してしまいます。
自分にあったシャンプーの選び方は以下のとおりです。

  • 初めて使うシャンプーはパッチテスト実施
  • 成分表の確認
  • 洗浄成分を確認
  • 自分の頭皮タイプを理解

自分の体質や頭皮の状態を把握し、適切なシャンプーを選びましょう。
おすすめのシャンプーは以下の記事で解説しています。

紫外線を避ける

紫外線量が多い日中帯の外出は極力避けて、紫外線が当たらないようにしましょう。
強い紫外線を浴び続けると、頭皮に悪影響を及ぼしかねないからです。

特に、毛量が少ない人や高齢者は注意が必要です。
以下の対策を取って、なるべく紫外線から頭皮を守ってください。

  • 頭皮用の日焼け止めを使う
  • 髪の毛の分け目を変える
  • 帽子をかぶる
  • 日傘を使う

紫外線に関しては以下の記事でも詳しく解説しています。

生活習慣の改善

バランスの良い食習慣や規則正しい生活、十分な睡眠時間を確保しましょう。
生活習慣が乱れると、頭皮湿疹を発症しやすくなります。
食生活の偏りや睡眠不足など、生活習慣が乱れてストレスがたまると頭皮の皮脂が過剰分泌されます。

また、偏った食生活は頭皮環境や髪の成長にも悪影響を及ぼしかねません。
特に、「髪の三大栄養素」とされる以下の栄養素をしっかり摂取しましょう。

タンパク質
ビタミンB
亜鉛

この中でも「亜鉛」は日頃の食生活で摂りにくいうえに、30%程度しか「吸収できない」と言われています。
以下の記事で亜鉛について徹底解説しているので、ぜひ参考にしてください。

ストレスの発散

自分にあったストレス発散方法を身につけましょう。
溜まったストレスを発散せずそのままにしておくと、頭皮湿疹を含め、抜け毛の原因になりかねません。

ストレス発散方法の例は以下の通りです。

  • 適度な運動習慣を作る
  • 趣味にのめり込む時間を作る
  • 十分な睡眠をとる

効果的なストレス発散方法は人それぞれ異なります。
ストレス発散方法がわからない人は、上記の例を元に自分に合ったストレス発散方法を探してみましょう。

なお、ストレスとAGAはまったく関係がありません。
ストレスとAGAについては以下の記事で解説しています。

医療機関の受診

ここまで紹介した方法を試しても効果がない場合は、医療機関の受診をおすすめします。
医療機関を受診すると、頭皮用ステロイド剤などの塗り薬が処方されます。

ステロイド剤はドラッグストアでも購入できますが、配合されているステロイドのレベルが制限されているのです。
医療用ステロイド外用薬
つまり、頭皮湿疹が悪化している場合、医療機関を受診しない限り改善しない可能性があります。
早めに皮膚科などの医療機関を受診し適切な治療を受けましょう。

まとめ

頭皮湿疹の主な原因と防ぐ方法をまとめます。

  • 頭皮湿疹にはさまざまな症状がある
  • 原因を突き止めて、適切な治療方法を見つける
  • 軽度の場合、まずはシャンプーを変えてみる
  • 食生活やストレスの緩和など、生活習慣も見直す
  • それでも改善しない場合、医療機関を受診する

頭皮湿疹は何度も発症を繰り返します。
これ以上悪化させないためにも、しっかりと治療しましょう。