【薬剤師監修】AGA治療薬の副作用を具体的に解説!危険な場合もある?

【薬剤師監修】AGA治療薬の副作用を具体的に解説!危険な場合もある?

「AGA治療薬の副作用ってどんな症状が出るの?」
「副作用が発生する確率は?」
「副作用が出たときの対処法は?」

AGA治療薬を検討するうえで、このような心配を抱く人は少なくありません。

結論からいうと、AGA治療薬を使って副作用が発生する確率は「数%程度」です。
さらに、正しい治療法を選択すれば、重篤な副作用が起こる危険性はほとんどありません。
この記事では、そんなAGA治療薬の副作用に関して以下の点を説明します。

この記事でわかること
  • 副作用が発生する確率
  • AGA治療薬別に起こる副作用の症状
  • 副作用が出たときの対処法
  • 副作用が発生する確率

記事を最後まで読むことでAGA治療薬の副作用について理解が深まり、安全に、そして正しくAGAを治療できます。

この記事の監修者

中川陽子
中川陽子薬剤師
薬剤師歴15年
薬局薬剤師としてAGAや壮年期脱毛症、円形脱毛症の医薬品調剤や服薬相談を多数経験
患者さんの悩みに真摯に向き合うことをモットーとしている

AGA治療薬で副作用が発生する確率

これからAGA治療を始めようと考えている人は、治療薬ごとの副作用発現率や効果、副作用の種類を知っておきましょう。
AGA治療薬の種類によって起こりうる副作用は異なるからです。

AGAガイドラインで「推奨度:A(行うよう強く勧める)」としてもっとも推奨されている医薬品・医薬部外品は以下の3つです。

  • プロペシア(フィナステリド)
  • ザガーロ(デュタステリド)
  • ミノキシジル(外用薬)

これらのAGA治療薬を使って副作用が発生する確率は以下のとおりです。

フィナステリドの内服 1.6%(1mg)※1
デュタステリドの内服 17.1%(0.5mg)※2
ミノキシジルの外用 8.82%※3

※1 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「プロペシア錠」
※2 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「ザガーロ錠」
※3 厚生労働省「ミノキシジルのリスク区分について」

フィナステリド(商品名:プロペシア)とデュタステリド(商品名:ザガーロ)は、どちらも「5αリダクターゼ」を阻害する働きのある内服薬です。

この表を見て「デュタステリドのほうが副作用が起きやすい」と思う方もいるでしょう。
こちらは「前提となる臨床試験が違う」という点に注意してください。
したがって、安易に「デュタステリドは危険」といったイメージを抱かないようにするのが大事です。

ただ、AGA治療においてはデュタステリドよりフィナステリドを使用するのが一般的です。
それぞれの詳しい違いは以下の記事をご覧ください。

AGA治療薬で起こりうる副作用を種類別に紹介

次に、上述した3つの治療法で起こりうる副作用を解説していきます。
3つとも重篤な副作用はほとんどありません。

プロペシア(フィナステリド)の副作用

プロペシア(フィナステリド)は5αリダクターゼのはたらきを阻害する内服薬です。
5αリダクターゼのはたらきを阻害することによって、脱毛因子や脱毛タンパクを放出するDHT(ジヒドロテストステロン)の産出を防ぎます。
プロペシア(フィナステリド)の副作用を2つに分けます。

  • 重大な副作用
  • その他の副作用

それぞれ説明します。

重大な副作用

重大な副作用として報告されているのが「肝機能障害」です。
頻度はわかっていません。

すこし古いデータではありますが、国内においても少なからず肝機能障害の副作用が報告されています。

2007年3月にはプロペシア® の「使用上の注意」の自主改訂が行われ,国内で5例の肝機能障害が報告されている(いずれも回復).

出典:男性型脱毛症治療の現状と今後の展望

また、海外においては「ポストフィナステリド症候群(シンドローム)」と呼ばれる症状が問題視されています。
ポストフィナステリド症候群(シンドローム)とは、服用を止めても副作用の症状が出続けてしまうというものです。

ただ、海外製品よりもフィナステリドの含有率が低い国内製品においては、ポストフィナステリド症候群(シンドローム)は報告されていません。

詳しくは下の記事をご覧ください。

その他の副作用

その他の副作用として報告されているのが以下のとおりです。

1~5%未満 1%未満 頻度不明
過敏症 そう痒症、じん麻疹、発疹、血管浮腫(口唇、舌、咽喉及び顔面腫脹を含む)
生殖器 リビドー減退 勃起機能不全 、射精障害、精液量減少 睾丸痛、血精液症、男性不妊症・精液の質低下(精子濃度減少、無精子症、精子運動性低下、精子形態異常等)
肝臓 AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇
その他 乳房圧痛、乳房肥大、抑うつ症状、めまい

このように副作用が起きる危険性はほとんどありませんが、万が一、起きた場合は速やかに服用を中止し医師に相談しましょう。

ザガーロ(デュタステリド)の副作用

ザガーロ(デュタステリド)もフィナステリドと同じ効果があります。
副作用を2つに分けましょう。

  • 重大な副作用
  • その他の副作用

それぞれ説明します。

重大な副作用

プロペシア(フィナステリド)と同じく、「肝機能障害」が報告されています。
こちらも頻度はわかっていません。

なお、デュタステリドはフィナステリドと違って「投与を中止しても副作用が続いた」という報告はありません。
ただ、添付文書にはフィナステリドと同じく以下の文言が添えられています。

投与中止後も持続したとの報告がある。

出典:独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「ザガーロ錠」

上述したとおり、ポストフィナステリド症候群は海外にある「高い含有率のフィナステリド錠」を服用した方が「発症した」と報告されています。
国内で認められた分の治療薬を使っていれば、投与中止後の持続を心配しすぎる必要はありません。

その他の副作用

その他の副作用として報告されているのが以下のとおりです。

1~5%未満 1%未満 頻度不明
過敏症

 

発疹 蕁麻疹、アレルギー反応、そう痒症、限局性浮腫、血管性浮腫
精神神経系 頭痛、抑うつ気分 浮動性めまい、味覚異常
生殖系及び乳房障害 性機能不全(リビドー減退、勃起不全、射精障害) 乳房障害(女性化乳房、乳頭痛、乳房痛、乳房不快感) 精巣痛、精巣腫脹
皮膚 脱毛症(主に体毛脱落)、多毛症
消化器 腹部不快感 腹痛、下痢
その他 倦怠感、血中CK増加

フィナステリドとやや異なります。
ただ、どちらも「重篤な副作用が起きることはない」といえます。

ミノキシジルの副作用

ミノキシジルは毛包に作用し、髪の成長と発毛を促進します。
国内で唯一、発毛効果が認められています。

ミノキシジルの副作用として報告されているのは以下のとおりです。

皮膚 頭皮の発疹・発赤
かゆみ・かぶれ
ふけ
使用部位の熱感等
精神神経系 頭痛
気が遠くなる
めまい
循環器系 原因の分からない急激な体重増加
手足のむくみ
代謝系 胸の痛み
心拍が速くなる

詳しくは下の記事でも詳しく解説しています。

AGA治療薬で副作用が発生した場合の対処法

AGA治療薬を使用するうえで副作用が発生するリスクは、ゼロではありません。
そこで「副作用が出たかも..」と感じた場合の対処法として以下の3つをおすすめします。

  • 医師に相談する
  • 治療薬の量を減らす
  • 治療薬の種類を変える

それぞれ対処法ごとに詳しく解説していきます。

医師に相談する

違和感を覚えたら、すぐ医師に相談しましょう。
使い続けているとより症状が悪化してしまいかねません。

頭皮環境が悪化するとAGA治療の効果が弱まり、結果として症状が進行してしまいます。
小さな症状でも、医師に診てもらうことが大事です。

最近では、初診からオンライン診療してくれるAGAクリニックも増えています。
下の記事で初診からオンライン診療してくれるAGAクリニックを紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

治療薬の量を減らす

AGA治療薬は「量が少ないと副作用も出にくい」ことが多いです。
たとえば、ミノキシジルも「5%より2%のほうが副作用が出にくい」とわかっています。

2%および 5%ミノキシジル液を比較した,393 名の男性被験者を対象とした,観察期間 48週までのランダム化比較試験では50),瘙痒,接触皮膚炎といった皮膚症状の出現率は 5%ミノキシジル群で6%と,2%ミノキシジル群(2%),プラセボ群(3%)より高かった.

出典:男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版

ただ、有効成分が減ると効果も弱まってしまう点に注意してください。

治療薬の種類を変える

医師に相談して、治療薬の種類を変えるのも悪くありません。
人によって、どの薬で「副作用が出るか」は異なるからです。

ミノキシジルの場合、「アデノシン配合の育毛剤」に変えてみるのもおすすめです。
アデノシンはミノキシジルほど発毛効果が認められているわけではありませんが、AGAガイドラインにおいて「推奨度B:行うよう勧める」と推奨されています。

詳しくは下の記事をご覧ください。

AGA治療薬が妊娠に影響を及ぼす可能性について

今回紹介した治療薬は、すべて「男性のみ投与可能」です。
たとえば、プロペシア(フィナステリド)もザガーロ(デュタステリド)も、AGAガイドラインでは女性の推奨度を「D:行うべきではない」と定めています。

詳しく言うと、胎児の健康を損ねる危険性があるのです。

​​

さらに デュタステリド同様,妊婦に投与すると DHT の低下 により男子胎児の生殖器官等の正常発育に影響を及ぼ す恐れがあり,妊婦または妊娠している可能性のある女性,授乳中の女性への投与は禁忌である

出典:男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版

ミノキシジルの外用は「D:行うべきではない」ではありませんが、添付文書に次の文言が記載されています。

1.次の人は使用しないでください。

(2)女性。
[日本人女性における安全性が確認されていません。]

出典:ミノキシジル添付文書

まとめ

AGA治療薬の副作用についてまとめます。

  • AGA治療薬で副作用が発現する可能性は「数%程度」
  • フィナステリド、デュタステリドは「肝機能障害」も報告されているが、そこまで深刻ではない
  • ただし、国内で認められていない含有量の治療薬を使った場合、重篤な副作用が起きる可能性がある
  • 副作用が見られた場合、すぐ医師に相談し薬を減らしたり変えたりする
  • 今回紹介した治療薬は、女性は使ってはいけない

今回紹介した副作用をしっかり理解して、安全に治療しましょう。