コーヒーの飲みすぎははげる?カフェインとAGAの関係について

【薬剤師監修】コーヒーの飲みすぎははげる?カフェインとAGAの関係について

コーヒーは、さまざまな理由で「つい飲みすぎてしまう」という方も少なくありません。

コーヒーに含まれるカフェインは血管収縮や利尿による脱水などの作用があり

そういった点から、「最近髪が薄くなってきたのはもしやコーヒーを飲みすぎたせい?」などと考える方もいるかもしれません。

結論から言えば、コーヒーはAGA(男性型脱毛症)に関係がない一方で、髪に対して「さまざまなメリット・デメリットがある」と言われています。

この記事では、「コーヒーははげる原因になるのかどうか」について徹底解説します。

この記事の監修者

中川陽子
中川陽子薬剤師・医学修士
北海道大学大学院卒業
薬局薬剤師としてAGAや壮年期脱毛症、円形脱毛症の医薬品調剤や服薬相談を多数経験
薄毛の悩みを解決できる医学薬学知識を啓蒙することで、患者さんのより良い人生に貢献したい
と思っております。

コーヒーの飲みすぎははげる?

そもそも「はげ」とは一般的に「薄毛」を意味しますが、これは「AGAの症状によるもの」であることが多いです。

そのため、ここでは「コーヒーの飲みすぎ」が「AGAの症状に関わってくるかどうか」について説明します。

はげ(AGA)には関係しない

結論から言えば、「コーヒーの飲みすぎ」はAGAの症状になんの関係もありません。

その理由は、AGAの原因がDHT(ジヒドロテストステロン)と呼ばれる男性ホルモンにあるからです。

AGAは、5αリダクターゼという酵素がテストステロンを抜け毛作用のあるDHTに変えてしまうことで発症します。

AGAのヘアサイクル

コーヒーを飲んでも、5αリダクターゼやDHTに影響を与えるわけではありません。

後述もしていますが、一部「DHTを抑制する効果がある」という情報はあるものの、科学的なエビデンスがあるわけではないので気をつけてください。

以上のことから、コーヒーを飲みすぎてもAGAが進行する(はげる)ことはないのです。

抜け毛の原因になる恐れはある

AGAとは関係がないものの、抜け毛の原因になる恐れはあります。

詳しくは「コーヒーの髪に与えるデメリット」で解説しますが、コーヒーを飲みすぎることによって胃腸症状が悪化し、栄養不足に陥った結果髪が成長せずに抜けてしまう可能性も否定できません。

また、コーヒーに限らず、何事も過ぎるのはよくないですよね。

ただし、こういった一時的な抜け毛は食生活の見直しや頭皮環境の改善などによって回復する可能性があります。

一方、AGAは治療しない限りどんどん進行し、最終的には毛母細胞が死滅して髪が生えなくなってしまいます。

コーヒー関係なく「AGAかもしれない」と感じる場合、早めに治療をはじめるのがよいでしょう

コーヒーの髪に与えるデメリット

上で解説したとおり、コーヒーの飲みすぎは一時的な抜け毛につながる恐れがあります。

そこで、ここでは具体的にどういったデメリットがあるのかを説明します。

クロロゲン酸・タンニンが亜鉛の吸収を妨げる恐れがある

コーヒーを飲みすぎると、髪の成長を妨げてしまう可能性があると言われているので気をつけてください。

どういうことかというと、コーヒーに含まれるクロロゲン酸やタンニンが亜鉛の吸収を妨げるかもしれないという情報があるのです。

さらに、コーヒーに含まれるクロロゲン酸やタンニンは鉄分や亜鉛などの吸収を阻害する効果がありますので、一日中コーヒーを飲んでいると、鉄分不足による貧血に悩まされることもあるでしょう。

引用:ドクターサーチみやぎ「コーヒーと健康」

ただし、実はどの程度阻害しするのかなどの科学的なエビデンスがあるわけではないようなのでご注意ください。

SBC湘南美容外科クリニックでは、このように記載されています。

またコーヒーに含まれているタンニンには、髪の毛の成長にとって必要な亜鉛の吸収を妨げる働きがあることも分かっています。そのため薄毛のリスクが高くなるというのです。

ただしいずれの説にも信憑性のあるエビデンスはありません。あくまで一説として留めておきましょう。

引用:SBC湘南美容外科クリニック「プロペシアの服用中はコーヒーを控えた方がよい?」

いずれにせよ、「亜鉛」が髪の発育にとって大切な栄養素であることに間違いありません。

亜鉛は「髪の3大栄養素」の一つと言われており、髪の生成に重要な役割を果たしているからです。

髪の主成分である「ケラチン」を作るために、アミノ酸を再結合するサポートを担っているのです。

亜鉛 効果

亜鉛が足りないとアミノ酸がケラチンに再結合されず、十分に髪が育ちません。

亜鉛に関しては、こちらの記事をご覧ください。

飲み過ぎによる健康被害

コーヒーは飲みすぎるとさまざまな健康被害を引き起こします。

最悪の場合、カフェイン中毒を発症する恐れがあり、以下のような症状が出る危険性もあります。

  • 吐き気、嘔吐
  • 手足のしびれ
  • 動悸
  • 悪寒
  • 意識消失
  • 心肺停止

参考:ココカラクラブ「実は身近すぎる薬物中毒 ~カフェイン過剰摂取~」

体調が悪いと、髪の発育不足や頭皮環境の悪化にも繋がります。

「どのくらいなら大丈夫なのか」という摂取目安は国内においてありませんが、欧州食品安全機関(EFSA)によると「400mg/日」とされています。

習慣的カフェイン摂取量が400mg/日以下であれば、妊婦を除く成人に安全性の懸念は生じない。

引用:食品安全委員会

一般的に、コーヒーには100mlに約60mgのカフェインが含まれています。(参考:全日本コーヒー協会

浅煎りや深煎りなどで多少はカフェイン量は変化するものの、平均して650㎖程度になるようなので

それ以下だと問題になることは少ないようです。

コーヒーが髪に与えるメリット

続いて、コーヒーが髪に与えるメリットも紹介します。

メリットがあるものの、もちろんコーヒーはAGAを治療できる・改善できるものではないので

あくまでも参考としてお読みください。

DHTを抑制する効果がある、と言われている

一部で、コーヒーに含まれているカフェインは「DHTを抑制する効果がある」と言われています。

また、NYにある「Hudson Dermatology and Laser Surgery」の創設者で皮膚科医のダヴァル・バヌサリさんは、カフェインは抜け毛に関連するホルモン「DHT(ジヒドロテストステロン)」を自然に抑制すると説明する。

引用:COSMOPOLITAN「髪の成長と薄毛予防にカフェインが効く?毛髪学のプロが解説」

この情報が正しければ、コーヒーを飲むことでAGAの改善に少なからずプラスの作用が期待できる可能性はあります。

ただし、科学的なエビデンスは認められていないため、もしかしたらという程度です。

あくまで「DHTの抑制に効果がある、と言っている人がいる」程度に、情報として聞きかじっておくのがよいでしょう

日本においてDHTの抑制効果が科学的に認められているのは、以下の2つだけです。

  • フィナステリドの内服
  • デュタステリドの内服

参考:男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版

頭皮環境を改善させる、と言われている

コーヒーに含まれているカフェインは、「頭皮環境を改善させる」と言われています。

その理由は、カフェインには「末梢血管の拡張をして血行を促進する作用」があるからです。

また以下の通り「脳血管には収縮に作用」する働きもあります。

血管を収縮させる作用があるため、血管の拡張によって起こる頭痛に効果があり、頭痛薬や風邪薬の成分としてもカフェインが使われています。

引用:ゆたか倶楽部「カフェインについて」

つまり、血行が促進され、頭皮(末梢血管)に栄養素や血流が行き渡りやすくなる、とされているのです。

ただし、こちらはAGAの治療・改善にはならないため、「血行が促進されたから」といって髪が増えるわけではないので注意してください。

コーヒーにまつわる疑問にまとめてお答えします!

以上のことから、「コーヒーはAGAと関係がない。血行促進効果があるのはたしかだが、飲みすぎると健康被害を引き起こす恐れがある」と説明しました。

最後に、コーヒーにまつわるさまざまな疑問に回答します。

コーヒーで髪を洗うと頭皮に良い?

ネットニュースには「コーヒーには育毛効果がある」と報じているものがあります。

コーヒーに含まれるカフェイン成分が新しい毛母細胞の出現を促進するなど、さまざまな育毛効果があることが、ドイツの研究者たちにより分かったという。ただし、有効成分をコーヒーからとろうとすると1日60〜80杯程度飲む必要があるので、頭皮に直接コーヒーを塗る必要があるという。

引用:日刊大衆「コーヒー洗髪で育毛!?「ハゲに効く食べ物」」

結論を言えば、あくまで「育毛効果があるかもしれない」という情報であり、カフェインに「発毛させる効果」は認められていません。

国内において発毛効果が認められている成分はミノキシジルだけです。

「育毛効果がある」という情報も科学的なエビデンスがあるわけではない点から、そういうこともあるかもしれないなくらいがいいでしょう。

AGA治療してるけどコーヒー飲んでもいい?

問題ありません。

内服薬・外用薬、どちらの場合もコーヒーを飲んでも治療の妨げとはならない可能性が高いので安心してください。

ただし、上述のとおり飲み過ぎには十分注意しましょう。

コーヒーを飲むとハゲるって本当?

コーヒー飲んでもハゲ(AGA)ません。
なぜなら、AGAの原因はカフェインがどうこうというものではなく、DHT(ジヒドロテストステロン)と呼ばれる男性ホルモンにあるからです。
しかし、抜け毛につながる可能性はあるため、体調と相談しながら飲む必要はありそうです。

コーヒーを飲むことで髪に悪影響はあるの?

コーヒーは適度な範囲で飲む分には髪の毛へ悪影響はありませんが、飲みすぎてしまうと髪の成長を妨げてしまう可能性があると言われているので気をつけてください。

どういうことかというと、コーヒーに含まれるクロロゲン酸やタンニンが亜鉛の吸収を妨げる恐れがあるのです。

コーヒーを飲むことで髪に良い影響はあるの?

一方で、コーヒーに含まれる「カフェイン」の作用によって、血行が促進され頭皮に栄養素や血流が生きやすくなるという効果もあるのです。
ただし、AGAが改善される直接的な原因になるわけでは無いため、コーヒーを飲めば薄毛が改善できる、とは思わないようにしましょう。

コーヒーは1日どれくらいまでなら飲んでもいいの?

コーヒーの1日の摂取量の目安は「約650ml」と言われています。
これはカフェインの1日の摂取量の目安が400mgと定められているからです。
上記の目安を超えてコーヒーを飲み過ぎないようにしましょう。

まとめ

「コーヒーの飲み過ぎははげるのか」についてまとめます。

  • コーヒーとAGAにはなんの関係もない
  • なぜなら、AGAの原因はDHTにあるから
  • ただし、飲み過ぎによる健康被害から抜け毛につながる恐れはある
  • コーヒーの発毛効果・育毛効果は過信しないほうがいい
  • AGA治療には影響しない可能性が高い

「コーヒーを飲みすぎたから」といってAGAが進行しはげるわけではありません。

「AGAかもしれない」と感じたら、コーヒー関係なくすぐにでも対策をはじめましょう。

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