「最近貧血が多い。そのせいで抜け毛も増えたんだけど、大丈夫なのだろうか」
このように不安を覚える方もいますよね。
結論から言うと、貧血とAGA(男性型脱毛症)は関係がないため、抜け毛を気にする必要はありません。
ただし、男性の貧血は重大な疾患につながる恐れがあるので、早めに医療機関を受診しましょう。
この記事では、そんな貧血と抜け毛の関係性や、AGA治療の副作用で貧血になる可能性はあるのか、などを解説します。
抜け毛は貧血のせい?
SNSを見てみると、「貧血のせいで抜け毛が増えた」と感じる方がいるようです。
てかよく考えたら抜け毛も貧血のせいじゃねーか!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!許さねぇ許さねぇ
— YOU子 (@yukoyukomk2) June 17, 2021
貧血が原因なのか抜け毛が一時期酷かったのでグミサプリを食べてたらやや改善したか?って感じだったけど止めたらまたなんか髪が抜け出したのでiherbで鉄剤買ったぞい 目の下のどぎついクマも良くなるといいな…
— たんしー (@IamSINSI) June 18, 2021
抜け毛が多いと不安になりますよね。
ただ、「毛が抜けること」を気にしすぎる必要はありません。
なぜなら、AGAでなければ抜けても生えてくるからです。
大事なのは、その抜け毛が「AGAの症状かどうか」を見極めることと、貧血の原因をしっかり把握することです。
後述もしますが、抜け毛の原因がAGAだった場合、どんどん薄毛が進行してしまいます。
また、貧血を放置してしまうと、重大な健康被害を引き起こすことになりかねません。
「抜け毛・貧血」に関して不安を抱いたり頭を悩ませたりしている方は、ぜひこの記事を最後まで読んでくださいね。
抜け毛と貧血の関係性
上で見たように、「貧血」に悩む方の中には「抜け毛が増加した」と感じるケースも多いです。
結論から言えば、ストレスや生活環境の悪化によって貧血になり、そこから抜け毛につながる可能性はゼロではありません。
ただし、ストレスを緩和したり生活環境を改善したりしても抜け毛が続く場合、AGAの可能性があるので気をつけてください。
貧血とAGAは関係がない
まず、AGAと貧血の関係性について明らかにしましょう。
結論から言えば、AGAと貧血とはなんの関係もありません。
なぜなら、AGAはテストステロンが5αリダクターゼの影響により、抜け毛作用のあるDHT(ジヒドロテストステロン)に変化することが原因だからです。
貧血になっても、5αリダクターゼが増加したりDHTが活性化したりするわけではありません。
そのため「最近、ストレスや生活環境で貧血になってしまう。髪の毛が薄くなってきたのもそのせいなのかもしれない」と感じても、それは一時的な症状である可能性が高いのです。
だからといって、抜け毛を「貧血のせい」にしてしまうのはおすすめできません。
「貧血を起こす一方で、AGAにもなっている」という可能性も考えられます。
以下の特徴がある場合は、AGAによる抜け毛・薄毛が考えられるので注意してください。
- 抜け毛が細く弱々しい
- 年単位で徐々に薄毛が進行している
- 生え際が後退している
鉄欠乏性貧血はほとんどが女性
何度も貧血を起こす場合は「鉄欠乏性貧血」の可能性があります。
男性は「鉄欠乏性貧血を心配しすぎる必要はない」と考えてください。
なぜなら、鉄欠乏性貧血を起こす人はほとんどが女性だからです。
古いデータにはなりますが、こちらをご覧ください。
(引用:日本鉄バイオサイエンス学会「5.鉄欠乏状態の人口割合」)
40代以下で見ると、男性はほとんど鉄欠乏状態になりません。
一方、女性は4人に1人に近い割合で鉄欠乏状態になっているのです。
なぜ男女でここまで差が出るのかというと、月経など「出血」が多いからです。
女性に貧血が多いのは、月経や婦人科系の病気(子宮筋腫、子宮内膜症など)で出血が多くなることがあるからです。
以上の点から、男性が貧血を起こす場合、「鉄欠乏性貧血ではない」と考えたほうがいいでしょう。
貧血がよく起きる場合は他の疾患に注意
上で見たように、男性で鉄欠乏性貧血を引き起こすケースは稀です。
だからこそ、貧血をよく起こす場合は他の疾患に注意してください。
たとえば、こういった疾患が考えられます。
- 胃・十二指腸潰瘍
- 胃がん
- 大腸ポリープ
- 大腸がん
このように深刻な疾患が疑われるため、40代以下の男性で「よく貧血になる」という方はすぐに病院を受診するべきでしょう。
貧血がよく起きる原因
「なぜ貧血を起こしてしまうのか?」を考える上でもっとも大事なのは、原因を把握することです。
貧血がよく起きる原因は、大きく分けて「4つある」と言われています。
- 鉄欠乏性貧血
- そのほかの栄養欠乏
- 慢性の病気が原因
- 血液の病気
このうち、男性が気をつけなければならないのが「慢性疾患に伴う貧血」です。
なぜなら、貧血を起こす原因の1/3が「慢性疾患にある」とされているからです。
全貧血の3分の1程度が「慢性疾患に伴う貧血」に分類されます。慢性腎臓病、関節リウマチ、甲状腺疾患などが原因となりこれらの診断が必要です。
そのため「貧血が続くな」と感じた場合、これらの疾患を疑ったほうがいいでしょう。
抜け毛と貧血が重なったときの対処法
今までの説明を整理します。
- AGAと貧血は関係がない
- ただ、ストレスや生活環境の悪化から一時的に抜け毛が増える可能性はある
- 貧血が多発する場合、重大な疾患を抱えている恐れがある
これらの点を踏まえて、おすすめの対処法を紹介します。
医師に相談する
抜け毛が一時的なものだったとしても、男性で何度も貧血を起こす場合、医師に相談するべきです。
なぜなら、上で見たように重大な疾患につながる恐れがあるからです。
「忙しいから」と後回しにしていると、手遅れになりかねません。
体に不調がない場合はAGA治療をはじめるべき
医師に相談して「体に不調がない」とわかった場合でも、抜け毛・薄毛が気になるなら早めにAGA治療をはじめましょう。
AGAは治療しない限り進行が続きます。
逆に考えると、正しくAGA対策できれば進行を食い止められるわけです。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
抜け毛・薄毛治療の副作用で貧血はある?
続いて、「抜け毛・薄毛治療の副作用による貧血」について紹介します。
結論から言えば、抜け毛・薄毛治療の副作用で貧血になることはほとんどありません。
副作用で貧血が起こるケースはほとんどない
その理由を説明するために、「AGA治療で貧血の副作用はあるのか」を解説します。
AGA診療を科学的な根拠に則ってまとめた「AGAガイドライン」において、「推奨度A(行うよう強く勧める)」と定められているのは以下の3つです。
- フィナステリドの内服
- デュタステリドの内服
- ミノキシジルの外用
結論から言えば、2021年6月現在、これら3つに「貧血」の副作用は報告されていません。
KEGGデータベースによると、プロペシア(フィナステリド)の副作用に「貧血」はありません。
(引用:KEGGデータベース「医療用医薬品 : プロペシア」)
ザガーロ(デュタステリド)においても同じです。
(引用:KEGGデータベース「医療用医薬品 : ザガーロ」)
ミノキシジルに関しては、貧血の副作用はありませんが、「血圧低下」の報告があるようです。
ミノキシジルはAGA改善に有効である一方、いくつかの副作用も確認されています。例えば、適用部そう痒感や発疹、皮膚炎、紅斑などです。これらはミノキシジルに限らず、外用薬の多くでみられる症状です。ミノキシジル特有の副作用として、浮動性めまいや頭痛、動悸、血圧低下といったものも報告されています。
中には、「めまい・血圧低下」から「貧血になるのではないか」と考える人も多いでしょう。
厳密に言うと、めまいや血圧低下によるふらつき・立ちくらみと貧血は別物である、とされています。
こちらをご覧ください。
立ち上がったときのめまい、ふらつき、失神など「貧血」と表現される症状は医学的には起立性調節障害と呼ばれます。
めまい、ふらつき、失神などは「貧血」と称されることが多いですが、「起立性調節障害」の症状なのです。
その他の副作用
以上のことから、「AGA治療をしても副作用として貧血になることはほとんどない」と言えます。
しかし、上で見たように、AGA治療には貧血ではないさまざまな副作用があることも事実です。
たとえば、プロペシアの主な副作用は以下のとおりです。
- 肝機能障害
- 性機能障害
とはいえ、こういった点から「AGA治療は怖い」と考えるのは良くありません。
なぜなら、副作用が起きる確率は非常に低いからです。
プロペシアの添付文書を読んでも、「副作用が起きる可能性は0.5%程度」とされています。
943例中 5 例(0.5%)に 5 件の副作用が認められた。主な症状はリビドー減退 2 例(0.2%)、肝機能障害 2 例(0.2%)等であった。〔再審査終了時〕
たしかに副作用があることは、十分に理解しておかなければなりません。
ただし、「副作用が怖いから」といってAGA治療を怠ると、薄毛・抜け毛がどんどん進行してしまう恐れがあるので気をつけてください。
まとめ
抜け毛と貧血についてまとめます。
- 男性の貧血は、重大な疾患につながる恐れがある
- 貧血とAGAはなんの関係もない
- そのため、貧血を改善しても抜け毛・薄毛が続く場合、AGAの可能性が濃厚
- AGA治療の副作用で貧血になることはほとんどない
- 抜け毛・薄毛が気になる場合、早めにAGA治療する
抜け毛、貧血、どちらの場合も気になる場合は早めに医師に相談しましょう!
この記事の監修者

- 毛髪診断士
-
公益社団法人日本毛髪科学協会が認定する「毛髪診断士®」
(19年12月取得|認定番号:第A20185号)
AGAアプリ「HIX」専属の毛髪診断士として、3千人以上の方の相談やカウンセリングなどを担当
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