結論から言えば、ザガーロはやばい薬ではありません。
国内において承認されているAGA治療薬ですし、AGA治療において科学的な根拠・エビデンスも明確になっています。
ただ、わずかながら副作用が報告されている点があるため「やばい薬なのかもしれない」と感じる方もいるでしょう。
この記事では、「やばい薬なのだろうか」と不安を抱く方のためにザガーロについて徹底解説します。
ザガーロとは
ザガーロとはAGA治療に高い効果が見られた「デュタステリド」を主成分とした治療薬です。
イギリスのグラクソ・スミスクライン株式会社(GSK)によって開発され、日本でも2016年に先発薬、2020年にジェネリック剤が販売されています。
ザガーロの効果
ザガーロには、「5αリダクターゼ」の働きを阻害する効果があります。
5αリダクターゼとは、男性ホルモンであるテストステロンを抜け毛作用のあるDHT(ジヒドロテストステロン)に変化させる力を持っています。
ザガーロを使えばDHTが生み出されにくくなるため、AGAの進行を食い止められる可能性があるわけです。
なお、同じ効果を持つ内服薬としてプロペシアがありますが、こちらは作用する5αリダクターゼの種類が違います。
5αリダクターゼには、このように「I型」と「II型」があります。
- I型:あらゆる体毛の皮脂腺に存在する
- II型:前頭部・頭頂部に多い
ザガーロはI・II型どちらにも作用しますが、プロペシアはII型だけにしか効果がありません。
プロペシア | ザガーロ | |
5αリダクターゼ I型 | × | ○ |
5αリダクターゼ II型 | ○ | ○ |
つまり、効果の幅広さで言えば、ザガーロのほうがプロペシアより「広い」と言えます。
ザガーロの価格
プロペシア | ザガーロ | |
先発薬 | 約8,000円/28錠 | 約10,500円/30錠 |
ジェネリック | 約4,000円/28錠 | 約7,000円/30錠 |
ザガーロのほうが効果が広い分、価格も「やや高めである」と言えます。
プロペシアもザガーロも1日1錠服用するのですが、AGAの治療は終わることがないため、基本的には服用し続けなければなりません。
万が一、途中でやめてしまうと、再びAGAがが進行してしまいかねないのです。
できる限り長く治療を続けるためにも、その金額が「毎月払っていけるかどうか」を慎重に検討してください。
ザガーロの副作用
ザガーロには以下の副作用が報告されています。
- リビドー減少
- インポテンツ
- 射精障害など
男性の性機能に関する副作用が多いです。
ただ、これらの副作用はプロペシアにも見られることが報告されています。
ザガーロはやばい?
冒頭でもお伝えしましたが、ザガーロはやばい薬ではありません。
何をもって「やばい」とするかは人それぞれですが、AGA治療において科学的な根拠のもと効果が認められた上に、国内でも治療薬として承認されているのです。
AGAガイドラインで推奨度A
「AGAガイドライン」とは、日本皮膚科学会と毛髪科学研究会が共同で製作したAGA診療の方針をまとめたものです。
その「AGAガイドライン」において、ザガーロの内服はプロペシア(フィナステリド)の内服・ミノキシジルの外用とともに推奨度A(行うよう強く薦める)と定められています。
AGAガイドラインに関しては、こちらの記事でまとめています。
ジェネリック剤も販売開始
2020年には、デュタステリドは製造承認を受けてジェネリック剤も販売されるようになりました。
国内においてデュタステリドのジェネリック剤を販売している企業は以下のとおりです。
- トーワ
- サワイ
なお、海外に目を向けると、国内で生産されたものよりも安価なジェネリック剤が存在します。
しかし、海外の製品を手に入れるためには個人輸入サイトなどを利用する必要があるのですが、これは安全面から見ると非常にリスクが高いので気を付けてください。
海外の製品は有効性や安全性が国内で認められていないものも多く、万が一、深刻な副作用が置きたとしても自己責任になってしまいます。
こういった側面から考えると、「個人輸入サイトを利用して買った海外のザガーロはやばい」と言えるでしょう。
デュタステリドのジェネリック剤に関しては、こちらの記事でまとめています。
抜け毛・薄毛がやばい人はザガーロを使うべき?
上で見てきたようにザガーロはAGA治療の方法として、「AGAガイドライン」でもっとも高く評価されています。
そのため、抜け毛や薄毛がやばい人は、ザガーロの使用を積極的に検討するのがおすすめです。
ただ、安易に「ザガーロを使えば大丈夫」というわけでもありません。
フィナステリドとしっかり比較
たしかに効果は、ザガーロとフィナステリドだとザガーロのほうが幅広いです。
しかし、AGAの治療においてはフィナステリドだけで十分カバーできる場合もあるのです。
そもそもAGAは前頭部・頭頂部から進行していくことが多いため、その部分に多く潜んでいるとされる「5αリダクターゼ II型」さえ抑制できればある程度の効果を期待できる、と考える医師も少なくありません。
さらに、ザガーロとフィナステリドでは値段も大きく違います。
ザガーロのほうが高いため、購入が負担となって途中でやめてしまうリスクも考えられるでしょう。
こういった点から、ザガーロとフィナステリドの違いをしっかりと比較するのが大事です。
合わせてこちらの記事もご覧ください。
ミノキシジルの外用も試す
ザガーロの内服はAGAの原因とされるDHTの生成を妨げるのが目的です。
一方、ミノキシジルは国内で唯一発毛効果を認められた成分で、その目的は「発毛の促進」です。
成長期の毛包を活性化させ大きく育てるとともに、発毛を促進させる働きがあります。
ザガーロ・プロペシアの内服を守り、ミノキシジルを攻めと考えて、2つを両立させていくことでAGAの治療効果UPを期待できるでしょう。
ミノキシジルと言えば「リアップ」を想像する方が多いでしょうが、近年、同じミノキシジル濃度でより安価な商品が数多く販売されています。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
医師やクリニックに相談する
ザガーロは処方箋医薬品なので、処方箋がないと手に入れることはできません。
まずは医師やクリニックに相談するのが大事です。
「自分がAGAなのかどうかわからない」という場合、AGA管理アプリのHIXで分析してもらうのもおすすめです。
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こちらの記事で利用方法や使用感をまとめているのでぜひご覧ください。
この記事を監修したHIXスタッフ
薬剤師 金澤大介