髪を太くするのは簡単なことではありません。
しかし、髪が細い原因を理解してしっかりとした治療を続けることで効果が現れやすいです。
この記事では、髪が細い理由と髪を太くするコツについて解説します。
髪が細いと将来ハゲる?
髪が細いと、髪が太い人に比べるといかにもハゲそうな気がしますよね。
しかし、結論から言えば、生まれつき髪が細い人がAGAになりやすいという科学的な根拠はありません。
髪の細さとAGAは科学的な根拠がない
そもそもAGAの原因は男性ホルモンである「DHT(ジヒドロテストステロン)」にあります。
DHTが生み出す脱毛タンパク質や脱毛因子が髪にダメージを与え、新しい毛が生えてこなくなるわけです。
このDHTは、体内に潜む5αリダクターゼと呼ばれる酵素が男性ホルモンのテストステロンと結びつくことで生成されます。
つまり、髪が細くても5αリダクターゼの量が少なければAGAになりにくいですし、逆に、髪が太くても5αリダクターゼの量が多ければAGAになりやすいわけです。
ハゲやすいかどうかに関してはこちらの記事でもまとめていますので、参考にしてみてください。
AGAになると髪がミニチュア化する
ただし、「抜け毛がいつもよりも細くて弱々しくなった」と感じる場合は注意してください。
抜け毛が細くて弱々しいのは「ミニチュア化」と呼ばれるAGAの特徴だからです。
髪には「ヘアサイクル」と呼ばれる周期があり「抜ける→生える」を繰り返すのですが、AGAになるとヘアサイクルが乱れ成長する前に抜け落ちてしまうのです。
この場合、AGAの疑いが濃厚なので、進行させたくない場合は本格的に治療をはじめましょう。
AGAは進行性であるため、治療しない限りどんどん髪が減っていきます。
髪が細い理由
髪が細い理由はいくつかあります。
まずは自分の髪が細いのはAGAが原因なのか、それとも違うのか把握しましょう!
AGA
もっとも大きな原因がAGAです。
上で説明したようにAGAになると髪が十分成長しないので、太く・強く育たないからです。
ただ、男性の中には「髪が細い原因がAGAなのかどうかわからない」という方もいるでしょう。
こちらに当てはまった場合、AGAの可能性が高いと言えるので注意してください。
- 抜け毛が細く弱々しい
- 年単位で徐々に薄くなっている
- 生え際が頭頂部の前方2cmより後退している
一番最後の項目に関しては聞き慣れない方も多いでしょうが、有名なAGAのセルフチェック方法です。
耳の穴から頭上に垂直の線を引いてください。
次に、その線から前方2cmに垂直の線を引きましょう。
自分の生え際がその線より前方であればAGAの疑いが低く、後方であればAGAの可能性が濃厚だと言えます。
老化
老化が進むと細胞の動きも弱くなるため、髪が細くなります。
ただ、安易に「年を取ったから髪が細くなったのだろう」と結論を出すのは良くありません。
なぜなら、AGAの可能性もあるからです。
老化は食い止めることができませんがAGAなら治療で抑えられる可能性があるため、まずはAGAを疑ってみるようにしてください。
栄養不足
髪は約90%が「ケラチン」と呼ばれるたんぱく質でできています。
具体的に言うと、食事などで摂取されたたんぱく質がアミノ酸になり、亜鉛と結びつくことによってケラチンに再結合されるわけですね。
つまり、たんぱく質と亜鉛が足りていなければ髪がなかなか太く育ちません。
だからといってたんぱく質と亜鉛ばかり摂取すると食生活が偏ってしまい、他の疾患などのリスクが高まる恐れがあるので、こちらの記事を参考にしながら栄養バランスを意識しましょう。
血行不良
血行が良くないと、髪に栄養が行き渡りません。
血行不良の原因は、自律神経の乱れや生活習慣の乱れ、頭皮環境の悪化などが考えられます。
ただし、こちらも安易に「血行不良のせいで髪が細くなったんだ」と思い込んでしまわないようにしてください。
髪を太くするコツ
繰り返しますが、もともと髪が細い人がAGAを気にして「太くしよう」と考えるのは適切ではありません。
しかし、「抜け毛が細く・弱々しくなった」という症状が見られた場合はAGAの特徴に当てはまるため、きちんとした対処をはじめるのがおすすめです。
ここでは、そういった方のために髪を太くするコツについて解説します。
フィナステリド・デュタステリドの内服
フィナステリド・デュタステリドは、どちらもDHTを生み出す5αリダクターゼの働きを阻害する作用のAGA治療薬です。
日本ではそれぞれプロペシア、ザガーロの名称で親しまれています。
フィナステリドとデュタステリドの内服は、AGA診療を科学的な根拠に基づいたまとめた「AGAガイドライン」において推奨度A(行うよう強く薦める)とされています。
髪にダメージを与えるDHTの生成を抑えられるため、ヘアサイクルが正常化し、再びハリのある強い毛が生えやすくなるわけですね。
ただ、フィナステリドとデュタステリドでは作用する5αリダクターゼの種類が違うので注意してください。
詳しくはこちらの記事でまとめています。
ミノキシジルの外用
ミノキシジルは国内において唯一発毛効果を認められた成分で、毛母細胞を活性化させて発毛を促進させます。
具体的に言うと成長期の毛包を大きく成長させるとともに、休止期から成長期にかけて発毛を促すわけですね。
こちらも「AGAガイドライン」で推奨度A(行うよう強く薦める)とされています。
上記したフィナステリド・デュタステリドを「守り」、ミノキシジルの外用を「攻め」として、同時並行しながらAGA治療に努めるのがおすすめです。
ミノキシジルには「ミノタブ」などの内服薬も存在しますが、こちらは深刻な副作用を引き起こす恐れがあるため「AGAガイドライン」においては推奨されていません。
たんぱく質や亜鉛の摂取
髪の素となるのがたんぱく質で、それを生成する調理器具とも言える存在が亜鉛です。
特に亜鉛は、意識しないとなかなか日常生活で摂取することができません。
こちらで亜鉛を多く含む食品について解説していますので、ぜひご覧ください。
ヘアマッサージを試みる
ヘアマッサージはかつて「効果がない」「むしろ逆効果だ」などと言われていましたが、近年の研究で「発毛促進に一定の効果が見られる可能性が高い」とわかりました。
より詳細に言えば、頭皮にマッサージなどで振動圧を加えると、ミノキシジルを塗布したときと同じ現象が見られたのです。
ミノキシジルの効果UPが期待できるため、お風呂上がりなどでヘアマッサージを試みましょう。
まとめ
髪を太くする方法についてまとめます。
- 生まれつきの薄毛はAGAと関係がない
- AGAの症状として抜け毛がミニチュア化する
- 抜け毛が細くて弱々しい場合はAGA治療を検討するべき
- 髪を太くするためには内服薬やミノキシジルの外用
- ヘアマッサージも忘れずに
なお、AGA治療をはじめたからといってすぐに髪が太くなるわけではありません。
たとえば、ミノキシジルの効果が現れるのは最低でも4ヶ月かかると言われています。
長期戦を覚悟して途中で諦めることなく、治療を続けるのがおすすめですよ!
この記事を監修したHIXスタッフ
毛髪診断士 日野