話題の発毛剤や育毛剤を使っても、「なかなか髪が生えてこない」と感じる方は多いですよね。
実は、発毛剤や育毛剤は選び方を間違えると効果が期待できません。
この記事では間違いのない発毛剤・育毛剤の選び方を解説します。
発毛剤と育毛剤は役割が違う
そもそも発毛剤と育毛剤は別物です。
発毛剤が必要な人が育毛剤を使っても効果は期待できませんし、逆も同じなのです。
以下に発毛剤と育毛剤の違いをまとめてみました。
発毛剤 | 育毛剤 | |
目的 | 新しい毛を増やす | 生えている毛を維持させる |
分類 | 医薬品 | 医薬部外品等 |
ミノキシジル | 含まれている | 含まれていない |
わかりやすい点が、「ミノキシジルが含まれているかどうか」です。
ミノキシジルとは、日本で唯一「発毛の効果がある」として厚生労働省に認められている成分で、
- 毛の成長を促し太く育てる
- 血流を良くして毛に栄養を届ける
という2つの作用で新しい毛を増やします。
もともとは血管拡張薬として開発されましたが、発毛効果が認められ、脱毛症の治療薬として用いられています。
まずは自分自身が、「髪の毛を増やしたいのか?」、それとも「抜け毛を防いで現状を維持したいのか?」を認識しましょう。
それによって、選ぶ薬の種類が変わってきます。
自分で判断できない場合は、医師や専門家などに相談したり、きちんと診断してもらうのも大事です。
発毛剤や育毛剤の選び方
発毛剤や育毛剤には、本当にさまざまな種類があり、商品の数も非常に多いので、「どれを選んでいいか分からない」という声が多いです。
実際に、数ある商品の中には、本当に効果がある商品もあれば、「3ヶ月で髪がフサフサに」といったような広告をしているにも関わらず、成分を分析すると実はほとんど効果が期待できないと思われる商品もあるのが現実です。
ですので、ここでは間違いのない発毛剤や育毛剤の選び方について解説します。
医学的に使うことを勧められているものを選ぶ
発毛剤や育毛剤は、医学的に使うことを勧められているものを選びましょう。
日本皮膚科学会と毛髪科学研究会が共同で発表した「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」では、市販で購入できる外用剤の推奨度について、このように提示されています。
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成分 | 商品名 | 推奨度 | 臨床試験データ(概要) |
ミノキシジル | リアップX5プラスNEO(大正製薬) | A | 日本人300名を対象に行われた試験において、5%ミノキシジルを使うことにより、脱毛部位1平方㎝あたり平均26.4本の髪の毛増加がみられた。(24週間) |
アデノシン | 薬用アデノゲンEX(資生堂) | B | 日本人男性101名を対象に行われた試験において、0.75%アデノシン配合ローションを使うことにより、 80%以上の方で毛の太さ、硬さなどの指標が改善した。 |
カルプロニウム塩化物 | カロヤンプログレEX(第一三共ヘルスケア) | C1 | 6名の日本人男性を対象に行われた試験において、5%カルプロニウム塩化物を使うことにより、6例中4例で脱毛減少あるいは発毛がみられ,有効と判断された。 |
t-フラバノン | サクセス バイタルチャージ薬用育毛剤(花王) | C1 | 14名の日本人男性を対象に行われた試験において、t-フラバノン配合育毛剤を使うことにより、6ヶ月で髪の毛の太さが約20%増大が認められ、また抜け毛数が減少した人がみられた。 |
「推奨度」とは、有用性や安全性などの観点から科学的根拠に基づいて示された各成分のランクです。
各ランクの詳細は、こちらをご覧ください。
- A:行うよう強く勧める
- B:行うよう勧める
- C1:行ってもよい
- C2:行わないほうがよい
- D:行うべきではない
この中で選ぶべきなのが、発毛剤の「ミノキシジル」、育毛剤の「アデノシン」です。
上で記載した「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」の表を見ると、どちらも医学的に推奨されていることがわかります。
ただ、これらは役割が違う点に注意してください。
農業にたとえると、ミノキシジルが肥料、アデノシンが水や太陽だと考えればわかりやすいでしょう。
ミノキシジルを使って「新しい髪が生えてくる」という土台を作り、アデノシンで新しい髪の成長を促すイメージです。
自分に合ったものを選ぶ
上で解説したように、医学的に推奨されていて、かつ、きちんと効果を示すデータがあるという発毛剤や育毛剤だからといって、全ての人に効果があるわけではありません。
また、人によっては肌荒れやかゆみなどのトラブルに見舞われる恐れもあります。
4〜6ヶ月経ってもまったく変化が感じられない場合や、自分の肌に合わないなと思った場合は、違う発毛剤・育毛剤を試してみるのも手段の一つです。
発毛剤や育毛剤の効果を高めるには
自分に合った発毛剤・育毛剤を見つけたからといって、確実に効果が出るわけでもありません。
こういった状態であれば、効果が現れにくくなってしまう恐れもあるので注意してください。
- 髪に必要な栄養が不足している
- 頭皮の環境が非常に悪い
- ストレスフルな毎日を過ごしている
- 睡眠時間が短い、遅い
頭皮が炎症を起こしていると抜け毛の原因となったり、成分の吸収が悪くなってしまう可能性があります。また、髪は副交感神経が活発になる寝る前〜就寝中に成長することが多いです。
発毛剤・育毛剤を使うと同時に、髪が成長しやすいような環境作りも意識してください。
この記事を監修したHIXスタッフ
薬剤師 金澤大介